「美桜。」


後ろから斗真君が美桜を呼んだ。
そして…


「莉ー子。」


アイドルスマイルで
私の名前を呼んだ颯人。


”やばい”


そう思った時にはもう遅かった。


「何!?どういう事?!」
「今、姫野さんの事
呼び捨てしたよね!?」
「そこも付き合ってるの!?」


2人を囲んだ女の子の一部に
その声は届いてしまっていた。


やってしまった…。


私達が付き合ったのは
夏休み中だから
この事実を知ってるのは
美桜と斗真君だけ。


だから、当たり前だけど
学校の人たちが
知ってるわけもなくて。


すなわち、今の私の名前を
呼び捨てにするという行為は
この学校の生徒に
”私達付き合ってます!”
って言ってるようなもの。