――なんて、いちごのキーホルダーあげたら、わんわん泣いてたのにヘラッと笑ってくれたんだよね。
「おー、HRはじめんぞーーー」
「ゲッ、じゃあまた後で話聞くから!」
バタバタと自分の席に戻る百合香を見つめ、ふとひらめく。
ぴーーーん。
……そうだよ!イチゴ!!
イチゴだよ!
あれから陸、何か知らないけどイチゴが大好きになっちゃって……。
ぷっ…。
今思うと笑えるなぁ。
あの頃の陸は泣き虫の弱虫だったけど、今はすっかり別人みたいになって……。
中学入っていきなりモテるようになったんだよね。
逞しくなって…。
強くなって…。
ミイ、泣くなって…。
いつの間にか、私なんかよりも背が高くなって。
でも20センチの差はひどくない!?
前は私の方が高かったのに……。
泣き虫陸はドコへやら。
今や学校で1、2を争うクールなモテ男に大変身。
そんな陸が、実はイチゴが大好きなんて、みんなが知ったら絶対驚くよね!
よぉぉーし、陸にはいっちょ機嫌なおしてもらおっと!
