『蜜香、すまん…父さんが働いてた会社が倒産した』


家に帰ろうとした矢先、話があると久我社長に連行されて

その車中、実家のお父さんから久々にかかってきた電話。

…で、いきなり爆弾発言をしやがった。


『父さんが倒産だ。はっはっはっ!』

「え、ちょ、は!?いやいやなにそれ全っ然笑えないんだけど!」

『そうだ、この歳で失業とか笑えない。今から雇ってもらえるところもないだろうしな。しかもまだローンも残ってる』


ちょっと待って…いきなりヘビーな話を聞かされてまったく理解が追いついてないんだけど…!


『だけど、そこで救世主が現れたんだ。父さん達のローンを払ってくれて、なおかつコネで働き先を提供してくれる人が!』


初めて聞く情報があまりにも多すぎて、私の頭はパンク寸前。

だけどこれだけはつっこませてくれ。

そんな神様みたいな人が存在するわけないでしょ!


『父さんの学生時代からの親友で久我って奴がいるんだけど、その人が父さん達を助けてくれるらしいんだ』


けれど、その名前を聞いた途端嫌な予感がして


『お前と向こうの息子さんとの結婚を条件に』


その予感は最悪な形で当たることになってしまったってわけ。