仕方ない…
こんなことするのは気が引けるし、ましてや相手は上司だし。
だけど今この人は酔ってるんだしどうせ覚えてないよね?
「…離れてくださいっ!こんの変態オネエ!!!」
バチンッ!!
心の中ですいませんと謝りながら社長の顔に平手打ちを一発
この場面を会社の子とかに見られてたら、完璧にみんなを敵に回してたなこりゃ。
「社長?」
「…」
「おーい…ってうわっ!」
その瞬間ドサリと私に覆い被さる大きな体
「ちょっ…!ほんとやめてくださ…」
「スー…」
…あれ、眠ってる?
聞こえてくる寝息はどうやら本当に眠っているみたい。
「よかった…」
押し倒されたときはどうなることかと思ったけど、なんとか貞操の危機は免れたのか。
それにしても、あんなにベロベロに酔うまで社長も飲むんだ。
今までこの人に苦手なものはなにもないと思ってたけど酔わせるのは絶対ダメだな。
…どうやら彼は、お酒を飲むと豹変するらしい。