「なんだそういうことかよ、びびった…」

「社長のこと好きになったのかと思ったわ…んー、まぁ私があの人と結婚できるとしたら正直自分が嫌になるかも」

「どういうこと?」

「だって社長、なにもかも完璧ってイメージだからむしろ私が邪魔に思われそうで。まぁそれ以前にオネエだしね~」


邪魔…かぁ。

好き合ってるどころか、むしろ社長は私と結婚してデメリットしかないわけだからそう思っててもおかしくないよなぁ…

実際家事全般を社長に任せちゃってるし。


「まぁでも、家に帰ってあんなイケメンが料理作って待っててくれたりしたら最高かもっ」

「社長なら料理も普通にできそうだよな」


ふと、この前社長が作ってくれたご飯を思い出す。

本当、虎ちゃんの言う通り料理まで完璧だったよあの人。

欠点どころか長所が増えてく一方で…ってあれ?


「…やばい!ふたりともごめん、今日用事があるの忘れてた!お金は明日払うから先に帰るね!」

「え、ちょっと蜜香!?」

「っは?おい蜜香…っ」


虎ちゃんの言葉で思い出したけど、まずい…

社長に、今日は遅くなるから夜ご飯はいらないって言ってなかった!