明日世界が滅ぶそうです。

一ノ瀬 洸大(イチノセ コウタ)No.1『コータ』 凩 鳴(コガラシ ナル)NO.2『シエル』

「クソっあちぃ……おい、アレなんだよ。シエル…分析終わんねぇの?」
シエルが慌ただしくパソコンのキーボードを叩いている。
「クーラー…」
「は?」
「なんで付けないの、クーラー。」
その手があったか。
「リモコン知らね?」
シエルはパソコンの画面を見ながら、ため息を吐いた。
そしてちらっとこっちを睨んでパソコンに目を戻した。
冷ややかな目はまるで閻魔大魔王だ。
見たことは無いけど。
「はぁ、物質はこの世の物…。恐らくあれは、<破壊の弾>…実験が終わったあとに使うようなやつの拡大版じゃないかな」
「ピッ」
エアコンを付けた。
扇風機も付けた。
「あ"あ"あ"あ"……」
シエルの椅子に向かった。
「要は『実験の1日』だな。生き残りを探す実験(ゲーム)って訳だ。」
シエルは頷いた。
「もう動きだしているかもしれない。コータ、タズとカナとライト連れてきて。」
シエルは立ち上がると長い髪を束ねた。
「そろそろ髪の毛切れよ、鬱陶しくねぇのか?」
「あぁ、男子トイレに入ったら驚かれるとかよくある。まぁ世界が終わるかもしれないんだ。そんなのどうだっていい。」
全くその通りだ。
何故か負けた気がする。
「シエル、15分で帰れよ?」
「あぁ。」
シエルはいそいそと出て行った。
「さて……集めるか…。」