「はー…暇だぁ…なんか、面白いことないかなぁ…」
そう言いながら二学期の始業式を終えて教室に戻るのは、脱力系の男子月橋 温睦(つきばし はるむ)だ
「はーい!席ついてぇー!」
と甲高い声が教室いっぱいに響く
うちの担任は、バスケ部の顧問だけあって
声が大きい…
俺は、ちょっと苦手だ…
ガタガタ!!
激しい音をたてながら皆が席につく
「はい!今日からこの3の1で一緒に過ごす事になった転入生がいます!入っておいで!!」
「なぁーさーや」
俺は、首をダラーっと後ろに向けた
「んー?」
とダラダラした感じで返事をしたのは、
八重木 さやか通称“さーや”
いつもは、ダラダラしているがこう見えて
バスケ部を卒部するまでは、エースとして活躍していた
「転入生が来るの知ってたー?」
「いやーなんか、隣のクラスの男子が始業式中騒いでたけど…」
「へー…俺始業式中寝てたからわかんねぇわ」
「まーた!徹夜!?ゲーム!?マンガ!?」
「おぉー!さーやなんでわかった!?お前エスパーかよ!?」
「んなわけないでしょ(笑)ほら、転入生女の子みたいだよはるむよかったじゃん!」
「はぁ?どーゆ意味だそれ!?」
「見てみ!はるむが好きなショートカットだよ!」
「んー?」
そこには、髪型はショートカットで背はちっさくてとにかく俺のタイプの子がいた