「…おととい弁護士さんから電話があったの。」
「なんて?」
「どのくらいの刑になるか。その刑期確定まではどんな流れか。」
「うん。」
「私はもう忘れたい。思い出したくない。なのにまだまだそれは許されないみたいで…。」

ソファに横になる私の正面にしゃがみ大悟は私の手を握る。

「…怖いのはもう嫌なの。」
「うん。」
「心療内科も紹介されてカウンセリングすすめられたけど、それすら耐えられるかわかんない。思い出す要素は避けたいの。でもそれじゃあ進めないのかな。逃げなのかな。」
「……。」
大悟の顔が見れなくて目を閉じると簡単に涙が流れた。
自分の中のまとまらない思いを言う私にひとつひとつ相槌をうちながらきく大悟は時々流れ出る私の涙を指でぬぐい続けてくれた。