別れても好きなひと

いつの間にかウトウトとしていた私は大悟の車に乗っていて私の膝には大悟の上着がかけられていた。

「寝てていいぞ。部屋についたら起こすから。」
「ごめんね」

そう言いながらまた涙が溢れてくる。

ちょうど赤信号で車が止まると大悟は長い指で涙をぬぐってくれた。ぬぐったあとにじっと私の目を見る。

その優しい表情に私は吸い込まれそうだった。