家のなかが静かになり今夜も叶夢が眠りにつくと大悟も叶夢を寝かしつけたまま隣で眠っていた。

「大悟。お疲れ。」私が小声で起こすと大悟は「おう。」と寝ぼけたまま立ち上がる。

「ごめんね。」
「ばか。謝んなって言ってんだろ。」
私たちはソファに隣同士で座り大悟は私の肩にもたれた。目を閉じたまま私のお腹をさわる。
「さすが二人目はお腹でるのはやいな。」
「ね~。大悟もふたりのパパになるんだね。」
「な~。にやけるな。それ。次は女の子かなぁ~。」
「どうかな。」
「次の検診でわかるんだっけ。」
「うん。」
「どっちでもいいから、元気な子がいいなぁ。」
大悟は目を開けて私のお腹に耳を近づける。

「元気すぎても大変じゃない?」
「まぁな。でも充実してる。最高じゃん。」
「そう?」
「ただ…なんで美容師の子供なのに叶夢はあんなに頭を洗うのも髪を乾かすのも切るのも嫌なんだろうなぁ?」