病院からの帰り道。大悟はハンドルを握りながらもなにか考え事をしていて、表情が厳しかった。

「ごめんね。」
私が謝ると大悟は慌てたように私に笑顔を向けた。

「違う違う。莉子はなんも悪くない。ちょっと俺も店のこと考えてばっかりで莉子のフォロー足りなかったなって反省してんだ。ごめんな。」
「違うよ私がしたかったんだよ。やっぱりお店…楽しいし。」
「でも考えなきゃなぁ。莉子の体調もだけど、赤ちゃんが生まれてからのことも。今まで通りにはいかないからな。」


大悟は私を家におろすと珍しく一人で出掛けて夜まで帰らなかった。