「莉子。」
「ん?」
「…なんでもない。」
「なに?」
「いや。なんでもない。」

大悟がいいかけた言葉を飲み込むのは珍しい。

「言って。」
私が大悟を見ると大悟が困ったような顔をしていた。

「大悟。ちゃんと言って。」


「莉子のつわりも落ち着いたし、来月莉子のお父さんお母さんのお墓に行かないか?ちゃんと報告したいし。」
「うん。ありがとう。」
大悟の思いがありがたい。