「俺たちももっと幸せな時間作ろうな。一緒に。」
「うん。」
「喧嘩してる時間だって俺は幸せだよ。莉子となら。」
「私も。大悟となら喧嘩してる時間だって大切。」
「莉子、そういうことじゃないかな。」
私は大悟が言おうとしていることがわかる。
大切な人とならなにをしていてもそばにいられれば幸せなこと。
大切な人となら離れていても想い合えること。

きっとお母さんとお父さんも幸せな時間があったはず。
想い合った時間もあったはず。

お父さんが最期に誰を想ってなにを考えていたかはわからないけど、私が知っている幸せな時間があった。