実家には親戚のおじさんおばさんが来ているだけで父の恋人の影はなかった。話を聞くと恋人とは1年以上前に別れひとりで暮らしていたらしい。

思いでのつまった実家のなかは雑然としていてキッチンにはお惣菜や即席麺のからが散らかっていて、私は罪悪感を感じた。

ひとりだったんだ…。

そして、事故に遭ったのは私と大悟の赤ちゃんを失った公園の前だったと聞いて私は涙をこらえられなかった。

泣きはじめる私の背中をさすりながら大悟も真っ赤な目をしていた。