別れても好きなひと

~♪

「電話ごめん。どうした?」
大悟からの電話に一気になにかがゆるみ手が震えはじめた。

「莉子?」
「父が亡くなったの。」
「え?」
「どうしたらいい?大悟、どうしたらいい?」
震える声で話す私に大悟はいつも以上に落ち着いた声で
「今から莉子の部屋に向かうから荷造りして待ってて。俺車で向かうから実家まで送る。とりあえず荷造りして。必要最低限でいいから。足りないものとかあれば俺が届けられるから。」
「…大悟。」
「うん。待ってろ、すぐ行く。」
大悟が電話を切ってから言われたように荷造りを進めた。