別れても好きなひと

「俺、今の店舗でもう少し経営とかスタッフの育成とかいろいろ覚えたいんだ。そしたら辞めて自分の店を開きたい。」
大悟の今の考えに初めて触れた気がした。
「そこには莉子にもいてほしい。これはまだ俺の願望だけど。」
「……。」
「また眠れなくなって、莉子を悩ませちゃうな。こんなこと言ったら。」
大悟の言葉に私は体を離し大悟を見る。
今なら言える。

「返事、していい?」
「え?無理しなくて」
「今がいい。」
私の言葉に大悟は頷く。表情で大悟が緊張しているのが伝わる。

「よろしくお願いします。私も大悟といたい。」
私の言葉に大悟は強く強く私を抱き締めた。