別れても好きなひと

しばらくして「びしょびしょ…」と私の涙で濡れたシャツに大悟は笑った。


私たちはお互いそれ以上なにも聞かなかった。


話したいことはたくさんある。

聞きたいことも、聞いてほしいことも。


でもなにも言えなかったのはお互いにとってどうするべきかが分からなかったから。


どうすることが相手の幸せなのか私たちには見えない。