「さあな。だけど、俺は何があってもアイツらだけは信じてる」


怖くない、とは言わなかった。

たぶん、人それぞれの考え方なんだろうな。

それでも信じていると言える廉の心の強さに感心してしまう。

わたしならきっと無理だ。


「どうして……そんなに人を信じられるの?」

「んー、むかし俺のことをただ信じてくれた人がいたから、かな」


その人のことを思い出しているのか、ぼんやりと前を見つめている。

その表情から廉はその人のことをとても大切に思っているということが伝わってきた。


「そうなんだ」


わたしには今そんな人いない。

お母さんもお父さんも、いなくなってしまった。

それに……友達だっていない。

わたしはいつも一人ぼっちで、闇の中を彷徨い歩いている。


「まあ、結局裏切られたけど」

「えっ……?」


ぼそり、と小さな声で呟いた廉の言葉に思わず、驚きの声をあげてしまった。