「無理って言ったら?」
そう言って余裕の笑みを浮かべる廉。
「……ば、バカ!」
「悪い口だな」
廉は離れようとはせず、わたしの唇を親指でそっとなぞった。
廉のせいで、鼓動がどんどん加速していくのがわかる。
色っぽい表情をしている廉にいつも以上にドキドキとしてしまう。
「や、やめて!」
わたしの中を乱さないで。
お願いだから、入ってこないで。
「仕方ねえからやめてやるよ。ほら、ここ座れ」
そういうと、廉はソファを指さし、そこに彼も腰を下ろした。
言われるままにわたしは廉の向かい側に座った。
「……」
「怒んなって。悪かったよ」
何も言わないわたしを困ったように見つめながら言う廉。別に怒ってはいない。
ただ、わたしも動揺しているんだよ。
あんな至近距離に誰かがいたことが久しぶりだったから。



