すぐに視線をローファーに戻し、雑に地面にローファーを置き、足を入れて、足早に歩き出した。

心臓が、ドクドクドクと嫌な音を立てている。

あんなの気にしない。何も辛くないもん。

もうどうでもいいんだよ。他人だから。

そう自分に言い聞かせるように何度も何度も心の中で呟いた。だけど、それとは反対に少しだけ切なく疼いている心。


……なんでなんだろう。


無性に廉に会いたい。
会ってまたなんでもないような会話をしたいよ。

なんて、そんなことを思っても無駄だよね。


「え、なにあれ」

「校門にいる人、めちゃめちゃイケメンじゃん!」

「彼女でも待ってるのかなー?」

「でもすごい怖そうなオーラ出てるよ」


周りにいた女の子たちが校門の方を見ながらヒソヒソと会話を弾ませている。

わたしには関係のないことだと思い、校門を出た瞬間思わず足を止めた。