《聖那side》
世界なんて、ちっぽけだ。
いくら頑張って生きたっていいことなんて一つもない。
もっといえば、辛いことの方が多い。
わたしは今日も埋めることのできない孤独を抱えながら偽りの笑顔を貼り付けて過ごす。
でも、それでいい。
本当の友情とか本当の愛とかそんなのつまらない。信じたってどうせみんないなくなってしまう。信じないほうが身のためなんだよ。
そんなことを思いながらポケットからスマホを取り出して時刻を確認すると、1時を過ぎた頃だった。
それにしても、冬だから寒いなあ。
思わず、マフラーに顔を埋める。
こうやってたまに一人で誰もいない街を歩く時間がなんとなく好きだ。
お巡りさんに見つかってしまえば補導されてしまうけど、メイクをして服装も大人っぽくして誤魔化しているから大丈夫なはず。
家に帰っても一人なんだから、別に問題はない。