「一世、本当に私達が誰だかわからないの?」
泣きながら私の方に近づいてきたのは、目を覚ましたときからそばにいるあの女性。自信はないけど、この女性は私のお母さんなんだろうなと思う。でも私は、
「…………。」
何も答えられなかった。答えたらより悲しませてしまう気がして。違ったらどうしようという思いももちろんあったし。
でも、一向に答える気配のない私を見てその女性がもっと悲しそうな表情をしたから、あーやっぱりこの2人は私の両親だと確信した。それと同時に私の名前が一世だという事もわかった。
一世…。
すごく聞き覚えあったし、懐かしい声色だった。

ズキッ…!
突然頭に電気が流れたのかと思うほどの痛みが私を襲った。
そこで私の意識はまた途絶えてしまった。