…!…よ!じゃーん!赤点ぎりぎりセーフ!
いやぁ、俺が天才なのか、一夜漬けの効果が素晴らしいのか
まぁどっちにしろ俺に才能があるんだよなー。お、やっと笑った。今日はやけに元気ないな。なんかあったのか?…が元気ないときは俺が絶対笑顔にしてやるから!安心しとけよなー。あ、時間か。またな、…!

誰…?
目を覚ましたのが久しぶりなのかな。太陽の光がすごく眩しく感じる。目が慣れない中あたりを見回すと、私を見て泣いている夫婦であろう2人が泣いていた。
どうして泣いているんだろう…?
どう声をかけようか迷っていると、お医者がきた。 意味のわからない道具で、簡単そうに思える検査をしたあと私は質問された。
「自分の名前、年齢、通っている学校名、ご両親のお名前はわかりますか?」
この一言で寝起きで十分すぎるほどに真っ白な頭をさらに真っ白にされた気がした。
「わかりません…。」
悔しくて、悲しくて、かなり小さい声で答えたと思う。
私の一言で夫婦であろう2人はもっと泣いてしまった。その光景を見て私は、この2人は私の両親なのかな?と思った。でも、わからないから聞けなくて、ただ見ていることしかできなかった。