…だって、あたしはもう決めたから。
きみを諦めるって。
思えば、生まれてから16年間、私の記憶の中にはいつだって朔がいた。
だから、あたしが朔のことをいつから好きだったかなんて覚えてない。
だけど朔は、気づけばいつも隣にいて、いつもこんな雪の中で笑ってた。
あたしが辛い時も苦しい時も、何度も何度も助けてくれた。
きみは気づいてないかもしれないけど、あたしはずっときみに救われてたんだよ？
だから、幼なじみっていうこの関係が心地よくて、きみにずっと甘えてきた。
困った顔をして欲しくなくて、振られるのが怖くて好きだなんて言えなかった。
言えるわけがなかったんだ。
あたしはずるいから、ずっと自分の気持ちから逃げてきた。
そんなんだから気付けなかったのかもね。
あたしがきみに迷惑をかけてるってことに。
