「今日で最後だよ?!告白とかないの???」

大きな声で詰め寄ってくる彼女は私の親友
長浜 桜(ながはま さくら)。

「しー!!静かに!!」

卒業式当日、親友から告白の催促を延々と受けています。
無駄だよと首を振ると

「言うだけ言えばいいのに」と口をとがらせる桜はお世辞抜きで可愛い。私の100倍は可愛い。



「あ、ほら噂をすれば翔也くんいるよ、行ってこい」
と、リアルに背中を押されよろめきながら私は彼の前に出る。




「あ、あの、少しお時間よろしいですか?」

敬語で話しかけた私に、鉄仮面と呼ばれるだけあって真顔で、あ、はいと返す翔也くん







「突然ごめんね、前から…」
と言いかけた口を手で塞がれ、あの鉄仮面は真っ赤になって私にこういった

「ちょっと待って下さい、その前に、『アレ』お願いできますか?」

口を塞がれパニックになった私は、夢中で手を剥がし聞く、
「『アレ』って?」









「『アレ』って言うのは、アレですよ、デート。俺に告白してきた割に知らないんですか?俺と付き合いたかったらデートして、笑わせてくれないと。」



……なんとまあ、モテる男の発言。


というわけで私、大ピンチ。