なおも降り注ぐ、甘いキスの応酬に溺れる。 と、その時。 「……あっ、やば」 突然キスが止み、明希ちゃんがなにかを思い出したように体を起こした。 「どうしたの?」 私も体を起こしてそう聞けば、やらかしたというように明希ちゃんがこちらを見た。 「記念日のプレゼント買っておいたのに、事務所に置いてきた……」 ……え? 忘れ物……? 何事かと思いきや、忘れ物って……。 「あははっ」 思わず堪えきれなくなった私は、吹き出していた。