番外編『目が覚めたら、昨日より愛しいキスをして』



なおも降り注ぐ、甘いキスの応酬に溺れる。


と、その時。


「……あっ、やば」


突然キスが止み、明希ちゃんがなにかを思い出したように体を起こした。


「どうしたの?」


私も体を起こしてそう聞けば、やらかしたというように明希ちゃんがこちらを見た。


「記念日のプレゼント買っておいたのに、事務所に置いてきた……」


……え? 忘れ物……?

何事かと思いきや、忘れ物って……。


「あははっ」


思わず堪えきれなくなった私は、吹き出していた。