『好きだ。俺と付き合えよ。』『私も...好きだった...っ』

「はぁあぁあ♡♡」テレビの前でみっともない声を出すのは、姉の海。
「私もこんなふうにロマンチックな恋、してみたいなぁ〜♡♡これまでいろんな子達と付き合ってきたけど、なんか違うって言うかぁ、もえないっていうかぁ。今付き合ってる子も飽きちゃったし、、、、早く運命の王子様迎えに来てくれないかなぁ〜」
こんなふうに言っていると。いつものことだが、妹の泉が呆れたようにため息をついている。
(せっかくいい顔にうまれたんだから、ちょっとくらい遊んでもいいでしょ?!)

対象的なふたりは喧嘩も多かった。ほんの些細なことでもよく喧嘩をしていた。海も泉もお互いの性格はもうなおらないものだと、わりきっていた。

そんな海にもついに運命の相手を見つけた。...というより、勝手に一目惚れしただけだが。
”狙ったものは逃がさない。"
これが海のモットーだった。

そのモットーを元に、海がどう仲良くなろうかと考えていると、その"王子様”が近づいてきた。遠くから見た感じではもっと弱々しい草食系男子だと思ったが、まっすぐな目をしていた。
「あなたが、立花海さんですね!?!」
(えっ、名前まで知ってるなんて...。これって脈アリ!!?)
「は、はい...っ。そうですっ。」
ポーっとその”王子様"の顔に見とれていると、
「はなしがあります。」
といって、いきなり腕を握って駆け出した。
周りがザワザワしていたが、海の耳には届かなかった。