それから俺は桜の並木まで足を進めた

ここには今日真麻との思い出を全て捨てにきたのだ


俺の頭を全て支配するのはやっぱり真麻


ニコッと優しく微笑む真麻

怒ってほっぺを膨らませる真麻

イタズラに笑う真麻

泣くのを必死に我慢する真麻

頬を真っ赤に染めて照れる真麻


真麻を想えば想うほど胸が張り裂けそうになる

そしてその想いが涙となって流れそうになる


けど俺は真麻と約束したから…

泣かないって

笑顔でいるって


だから涙をとめて俺は桜の並木を歩き出した



あの日君と出会えて本当に良かった

あの日君は俺を想って苦しい嘘を吐いた

あの日俺は君にもう一度好きだと伝えた

あの日君は泣きがから喜んだ

あの日君は俺に別れを告げた

あの日君は俺の幸せを想って自分を苦しめた


あの日君は幸せそうに永遠の眠りについた


君は本当に強くて優しかった

そんな君が俺は本当に大好きだった



でももう思い出に浸って進む足を止めるのは今日で終わり



俺は君の分まで明るい未来にむけて前に進み続けるよ



そしてまた天国で会ったら君に想いを伝えるんだ。





『愛してる』






そんな俺を見守るかのように2枚の桜の花びらが寄り添うように舞っていった