でも、俺がどんなに辛くて苦しくても新人戦の準決勝は近づいてくる


俺達は真麻の為にと練習を今まで以上に頑張っていた

いや、『玲於達』が正しいかもしれない


真麻が亡くなったあの日から俺の時計は止まったままでいた

練習には出てもどこか上の空


そして遂に俺は真麻の居ない部活が辛くなって学校にも部活にも行かず部屋に閉じこもるようになった



玲於はそんな俺をとても心配し毎晩俺に電話をかけてきた

けど俺がそれに出ることはなかった

嫌だったんだ…玲於の声を聞くと自然と真麻のことまで思い出してしまうから…

俺は自分の殻にとじこもるしか出来なかった



そして明日はいよいよ準決勝の日

それなのに俺は今日も練習に出ずにずっと部屋にいる

相変わらず玲於からの電話は途絶えない

部屋にはスマホの着信音が鳴り響く


俺はうっとおしくてスマホの電源を落とした


それからどれくらい時間が経っただろうか

辺りは真っ暗だ


ピーンポーン

突然家のチャイムが鳴り響く

俺は無視をした

すぐに鳴りやむと思ったのにいつまで経っても鳴り響く


俺は仕方なくゆっくりと腰を上げて玄関に向かった