そんな俺達を知る由もなく試合開始まで時間は迫ってくる

そしてついにチームが最悪な雰囲気のまま後半開始を告げるホイッスルが鳴った


もちろん、今の俺達の状態で先程の動きが出来るわけない

俺はぼーっとしていた

玲於「おい!斗真!」

玲於からのパスに気づかずトラップが出来なかった

そんな玲於も普段からは考えられないほどの凡ミスを繰り返していた



状況を知らない観客席からはどうしたと不信の声が聞こえるばかり


俺は今すぐにでも病院に駆けつけたい衝動を抑えるのに精一杯だった

試合に集中するなんて出来るわけなかった


そして前半のしぶとい試合からは想像出来ないほどいとも簡単に点を入れられた


それはわずか後半が始まってわずか10分の事だった