イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「そうか。そういう言い訳もあるのか」


くくく…と苦笑し続ける彼が一々イメージとはかけ離れていく。

今泉君は実はこんなに明るい性格だったのか…と思うと私の中では意外性ばかりが膨み、自分が彼を知らないだけだったのか、それとも中学時代とは違い、彼の性格が少し明るく変わったのかな…と考えた。


(私も中学時代とは変わったしな)


性格も勿論だけど、外見もね。

そう思って耳朶の側にある毛先を指先で触る。
私のヘアスタイルはショートボブで、今は丁度髪を切って間もなく、毛先は肩にも付いてない、耳朶のちょい下辺りに切り揃えられてあった。


それを触るのをジッと見てる視線に気づいて手を離すと、見てたのを誤魔化したように今泉君が水を飲み、そのコップの中を見つめたまま「どうして」と言い出して、私はその微かな声に「何?」と訊き返し、お互いに視線を交わして見つめ合った。


「あの…」


吸い込まれそうな目ヂカラに負けたのは当然私。
今泉君は私の声を聞くと唇を開き、「どうして髪を切ったんだ?」と質問する。