イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

実際は「煮魚定食」と年寄りみたいな物を注文し、はぁーと思いきり深く息を吐き出すと、ゴソゴソとバッグから食前薬を取り出して、それをお冷で飲み込み、再度、はぁーと深い吐息を漏らした。


「年寄りくさ」


クスッと笑いながら胸を抉るイケメンドクター。

それを聞くと、あんたが私に揚げ物と脂っぽい食事を制限させてるんじゃない、と反論したくもなるけど、お陰で少し痩せたし、あれからチョットだけ痛みも緩和されてるから黙っとく。


「ところで」


テーブルの向かい側から真面目そうな声が聞こえる。
目線を上に向けると彼がジッと私を見てて、「今日一日胃痛はあった?」と訊いてきた。


「あ…そう言えば無かったかも」


少し気落ちした瞬間はあったけど、総じてずっと快適だった。


「じゃあまた身体動かして遊ぶか」

「いや、もう結構」


ボーリングのやり過ぎで二の腕がパンパンになりそうだ、と言うと笑われ、あれくらいで?と疑問を持たれ、教師はチョーク以上に重い物を持つことはないのよ、と言い訳のように説明した。