「俺と付き合おう」

「えっ」

「彼氏に立候補してやるから」

「…え？誰の」

「勿論、望月さん」


語尾の発音を少し上げ、一瞬照れくさそうな表情も見せたが。


「はぁぁ？」


ふざけてんの？と問い返すと、彼は真面目くさった顔つきで、「本気」と言ってくる。


「えっ、あの…」


狼狽えきってものも言えずに唖然としたら。


「ストレス緩和しないと、症状が重篤になっても知らねぇよ」


胃潰瘍の一歩手前みたいな感じだったからなぁ…と驚くべき真実を突き付けられ、それってまるで脅しじゃない！？と頭の中で反論はしたが＿＿。


（…でも、改善されないまま、胃潰瘍とかになるのもヤだし）


それに同級生とは言え、こんなイケメンが其の場凌ぎと言えども彼氏になってくれると言うんだからラッキーじゃない？、それにもう一回キスもしてるしね…と抗議することもそっちのけで考えてしまい＿＿。


「い…いいの？」


彼女とか居るんじゃない？の意味で訊ねると、何故か今泉君は満面の笑みを浮かべて「ああ」と返事をしてくるではないか。