仕様がない感じでカゴの中を振り返ると、ふぅん…と納得した彼は、それはそれは…と同情し、じっと惣菜の棚を見遣ると近付き、これも食べれば?と入れてくる。


「あ、何すんの」


勝手にやめてよ、と入れられた物を見れば、それは何と、しゃぶしゃぶ肉の乗った温野菜のサラダ。


「肉も食べないとストレス増すだろ」


俺の責任にされても困るしな、と諭され、別にそういう意味で言ったんじゃない、と反論したくなった。


「それにしても、まだ胃痛改善されてないんだ」


折角自分が気分転換してやったのに…と言いたげな感じで話し、そりゃまあ当然でしょ、と肩を竦める。


「毎日ストレスだらけなんだから」


日々子供達に体力吸い取られてる様な感じだしね…と諦めて笑うと、じっと私のことを見つめてくるではないか。


(な…何よ)


ビクッと体を仰け反らせて彼を見返すと、その唇が開き、「俺がストレスを発散させてやろうか」と訊いてくる。



「け、結構!」


だってまたキスなんてされたら堪らない、と思い出して顔の温度を上げると、まあそう言わずに…と近づいて来て。