イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛



「…っ!」


無言のまま離れていった今泉君はパッと大きく目を見開き、口元は唖然としたまま開けっ放しになって、それを黙って見守ってた私はぼうっとした意識をハッキリさせながら、今のは何?…と考えだした。



(も、もしかして、キス……された?)


ええーっ!?と大きな声を上げそうになったが狼狽え過ぎて声も出せず、ただパクパクと唇を動かすだけになってしまい__。


(えっ!?ええっ!?何で!?)


何でどうして!?と馬鹿みたいに何度も頭の中で繰り返しつつ、今のは一体どういうこと!?と焦りだす。


当の今泉君はバツが悪そうに一瞬だけ顔を背け、でももうしてしまった事は取り消せないと観念したのか、きちんと椅子に座り直すと私を見つめ、「気分転換になったか?」と訊いてくる。


「…き、気分転換!?」


どういう事!?ともう一度頭の中で疑問に思う。
キスが気分転換って、この人の頭の中身はどうなってんの。


「点滴の間中ずっと魘されてばかりいたから、ストレス相当溜まってるんだろうなと思ったんだけど」