イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「んん、ん、んんんっ!」


ちょっとちょっとぉ〜!と彼の胸板をドンドン叩く。

だけど、その唇はなかなか離れていかなくて、軽い酸欠気味になり意識も朦朧として、クラリ…と軽い目眩を起こして仰け反りそうになった。


「葵!」


驚いた彼が名前を呼んでガシッと私を抱き留める。


「し、死ぬかと思った…」


はぁはぁ…と呼吸を乱し、次第に大きな深呼吸へと変えていく私を彼が笑う。


「死ぬ訳ないだろ」


キスくらいで…と大ウケしてるけど、こっちは食われそうを通り越して、マジで意識が遠くなりかけたんだからね。


「葵、キスに慣れてなさ過ぎ!」

「だって、数える程しか経験ないから」


付き合った人も大学時代に一人いたくらいだ。
それも、そんな長い付き合いではなかった。


「それじゃ、もっと経験して早く慣れろ」


またしようと近付いてくる相手に腕を前に伸ばし、「今はもういい」と拒絶。


「どうして」

「だって、このリゾットが冷めるから」


折角美味しいのに…と目線を向け直すと、彼はえ~?と不満そうな声を漏らし、呆れ口調で言い返してくる。