イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「美味しいよ」


ぼうっとしたまま彼に返事した。
すると、斜向かいに座る彼は大袈裟にホッとして微笑み。


「良かった。ひょっとしたら不味いのかと思った」


何も言わねぇんだもんな…と安心し、自分もスプーンで掬って食べだす。


「…うん、美味い!」


流石はクックパッド、と料理サイトを褒めちぎる。


「俺、普段料理なんて殆どしないし、材料は限られてるから検索した」


その結果、探し当てたのが『ミルクリゾット』だったそうで。


「簡単だったぞ」


少ない食材で応用も効くらしい、と自信満々に教えてくれるが__。


(折角作って貰って贅沢言うようだけど、今夜は私、もっと揚げ物とか、コッテリした物が食べたかったのに)


胃の調子が万全だと診断されたら、今日こそは我慢してた物を堪能しようと思ってたのに。


(病院でドンと出会わなければ……)


あの時、彼女が幸せそうに笑わなかったら、胃の調子は良いままだった筈。
胸も痛くならずに済んで、お一人様でも気分良く食事してたと思うのに。


(こんな美味しい手料理前にして、落ち込む気分にもならなかったのにな……)