イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

そう言いながらキッチンに続くドアを開け、コンロの前に立つと、ピッとスイッチを入れる。


「冷蔵庫の中見たけど殆ど空に近くてさ。…葵、普段何食べてんだ?」


コンロに向かい合ったたまま訊かれ、うっ…とつい口籠る。


(しまったぁー。この最近ずっと精進料理みたいなもんばかりだったから、買い物する気も湧かなくて、コンビニでおにぎりとかスーパーの惣菜で済ませることが多かったんだ)


ここでもまた女子としてどうなの?と思うような醜態を晒し、あああ〜っ、と頭を抱え込んで穴に入りたい様な心境に陥る。


「どうでもいいけどさ、こんな物しか作れなかったぞ」


流しの引き出しから深皿を出した彼は、鍋の中身をそれに盛り、私のいる方へと戻って来た。



「……はい」


部屋に入ると両手に持った皿の一つを私に手渡し、自分の分はテーブルに置いてまたキッチンへと逆戻り。


「スプーン何処だ?」

「そこ。一番上の引き出し」


答えながら皿の中を見返し、フワッと立ち昇るクリーミーな香りに目を見張る。


(お粥?)