「そりゃ、そうなんだけどさ」


四週間も出向を認めてもらい、多少は心苦しいな…とは思ってたんだ。
だから、それが三週間で済めば、先輩医師や医院長にも顔が立つし、助かると言えばそうだが。


「なんだ、問題でもあるのか?」


訊ねる叔父さんに、「大アリだ」と言いたくなるが、また旅行へ行けとは言えず。


「代診中に一人気になる患者がいたんだ。ストレス抱え込んでて慢性胃炎を起こしてるクランケだったんだけど」


胃カメラをして潰瘍一歩手前の状態だったと言うと、叔父は、ふむ…と話を聞き、どう治療してたんだ?と訊き返してきた。


「取り敢えずは内服薬を二週間服用させた。二週間後の今日は胃痛がかなり改善されたらしくて、顔色も良くなって胃の張りも取れてたんだけど」

「ならいいじゃないか」


治療方針としては間違ってないぞ、と言う相手に、そうなんだけど…と食い下がる。


「でも、ストレス溜めるとまた再発しそうなクランケなんだよ。だから、出来れば継続して診たいんだけど、再診に来たらこっちへ回してくれないかな」