そうすると診療費も二重に掛かるので無駄ではありますよ…と丁寧に教えてくれ、私は少しだけ迷ったんだけど__。


「いいです。書いて下さい」


思いきって先生に依頼し、今泉君宛に紹介状を書いてもらう。
お金は少し高く付くけど、きちんと彼に会い、お礼もお別れもちゃんとしたいと思ったから丁度いい。



「どうも有難うございました」


頭を下げて診察室を出る。
彼の叔父さんは和かな笑みを浮かべて「お大事に」と言ってくれて、その笑顔に後押しされる様な気持ちで今泉クリニックを後にした__。