イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「こうやって見ると私、今泉君とは何の接点もなかったんだな」


同じクラスだったってだけ。
話もあんまりしたこと無いし、挨拶交わすだけだったよね。


それなのに、あのキス。
やっぱり彼がどうかしてる。


「あんなのしたらやっぱダメだよ」


彼女に申し訳ないよ…と思いつつ、中学時代のドンを見る。
彼女は天然な茶髪を短く切ってて、そのショートヘアが本当によく似合ってて明るそう。


「もの凄く美人てタイプじゃなかったけど、頼もしくて守って貰えそうな感じの子だったな」


勉強もスポーツも何もかも出来て羨ましかった。
いつ何処で観てるの？と思うくらい、テレビ番組の内容も把握してて、その万能さに憧れる女子は多かった。


その上、性格もサッパリしてて嫌味でもない。
大きな病院の一人娘だというのを鼻にも掛けず、本当に素敵な女子だった。



「私とは全く違う性格の子だったな」


思い出すと自分が惨めになるからやめよう。
それにあの頃に比べたら、多少は今の自分の方が好き。

少しは積極的にもなったし、人見知りもかなり改善した…と思う。