独占欲強めな同期の極甘な求愛



「白鳥さんて、自分のことより他人の幸せを願うタイプですよね」
「そ、そんなできた人間ではありません」
「そうでしょうか? 少なくとも私にはそう見えます」

断言され返答に困る。だけど確かにガツガツと我先にというタイプではないかもしれない。くじとかそういうのも、残り物には福があるという言葉を信じているくらいだし。

だけど褒められたものじゃない。ただの臆病者とも言える。だから長年初恋をこじらせているし、後輩に仕事も押し付けられる有様。

「私も白鳥さんみたいな大和撫子な精神を見習いたいです」
「大和撫子って……」
「私は負けず嫌いで、仕事もファッションも、髪型だっていち早く流行に乗りたい。最先端の情報を知りたいって、そんなことばかり考えてます」

そう言われてみれば花笑ちゃん、今日はこの前と髪型が違うような。少し短くなっているし、あと色を変えたように見える。膝を抱える手だってしっかりネイルが施されているし、爪の先まで手入れを怠らない花笑ちゃんは本当に女子力が高い。私からしてみれば、そんな花笑ちゃんが羨ましいし、素敵だと思う。