独占欲強めな同期の極甘な求愛


だけどそんな関係も今日で終わるかも知れない。覚悟はしたつもりだけど、逃げ出したい自分もいる。

「片付け手伝うよ」
「うん、ありがとう」

臣は自分のお皿を手に取ると、サッと席を立ち流しに向かう。私も追うようにお皿を下げると、ザーッと勢いよく水を出した。

「あとは私がやるからそこ置いておいて」
「ねぇ美麗」
「ん?」
「この余ったのってどうするの?」

キッチンに置いておいたカニクリームコロッケを指しそう言う臣。どうしてそんなこと聞くのだろうと思いながら、明日のお弁当に入れるつもりだと答えた。敢えてお弁当用に残しておく時もある。一品あるだけで朝の手間が省けるから。

「へー、そうなんだ」
「どうしたの? いつもそんなこと聞かないのに」
「俺のも詰めてよ」

えっ? 思いがけない言葉に、お皿を洗う手が止まる。お昼は決まって社食の臣がお弁当? どんな風のふきまわしだろう。

「いいよ」
「え? マジ?」
「うん。ていうか、そんなに驚くところ?」
「いや、だってさ……」

だって?  なんだろう。何か言いたいことを我慢しているような、そんな口ぶり。