独占欲強めな同期の極甘な求愛





「おいしかった、ごちそう様」

あっと言う間に完食し箸を置くと、丁寧に手を合わせる臣。食べるときの勢いはいかにも男という感じでガツガツ飲み込んでいくのに、食べ終えるといつもうこうだ。

今迄もう何度も見てきた。その度に綺麗だと思ってしまう。だけどもしかすると今日が最後になるかもしれない。そう思うと、飲み込みかけがカニクリームコロッケが喉に詰まる感じがした。

こんな風に臣にご飯を作るようになったのは、会社で再会して半年が過ぎたころ。臣が飲み会や接待で外食が多くてしんどいと愚痴ったことから始まった。

その時は偶然エレベーターで二人きりになって、臣にそう聞かされた。家庭の味に飢えているという臣に、じゃあ私が週一でご飯を作ろうかと提案したのだ。料理は元々好きだったし、それに加え二人の時間ができるということは、私にとっては願ったり叶ったりだった。

少し強引だったかなと一瞬思ったけど、臣はすぐ「まじで? いいの!?」と目を見開き喜んでくれた。

それから今日まで臣は毎週水曜日必ずやってきた。彼女がいた時期もあったかもしれないのに、ドタキャンはしないし、台風の日ですら来る。そのときは本気で驚いたけど、それくらい臣は律儀に約束を守り、足しげく通っている。