独占欲強めな同期の極甘な求愛


「二人で仲良く社食ですか。見慣れない光景に驚きましたよ」

恐る恐る顔を上げれば、目を細めこっちを凝視する臣の姿。最悪だ。見られてしまった。

「都倉くん。昨日はお疲れ様。幹事大変だったね」
「いえ、あのくらいの規模でしたらそれほどでもなかったですよ」

三井さんの労いの言葉に、明らかな愛想笑いで答える臣。しかも何を思ったのか、持っていたお盆をスッと私の隣に置くとそのまま席に着いた。え? どうしちゃったの臣。あまりにも不可解な出来事に、臣を見つめたままフリーズしてしまう。だけど臣はいたって冷静で、三井さんと談笑していた。

「あれから三次会もあったんだって? えがちゃんが今朝言ってた」
「あーそうみたいですね。僕は行ってないんですけどね」
「そうなの?」
「はい。ちょっと心配なことがあって、そんな気分になれなかったので。一次会終わったらすぐに帰宅しました」

……ん? 心配なことって? それってもしかして私のことだったりする? って、まさかね。自惚れるなって話だ。

「お二人はあの後、真っ直ぐ帰られました?」

臣の問いにドキリと心臓が跳ねた。まさかさっきの続きを掘り返してくるなんて。だけどチャンスだ。思いっきり否定してやろう。

「も、もちろ……」

そう言いかけた時、三井さんが遮るように口を開いた。

「やだなー都倉くん。そんな野暮なこと聞かないでよ。ね? 白鳥ちゃん」

し、白鳥ちゃん?! ていうか、なんでそんな誤解を招くようなこと言うのよ!