独占欲強めな同期の極甘な求愛


三井さんが確保してくれたテーブルにしぶしぶ座ると、俯き加減でお弁当を開いた。みんなはここの定食やら麺類を食べているけど私は専らお弁当派で、社食を利用したことはほとんどなく、いつも自席で食べている。だから楽しげにランチをしているみんなが眩しくて仕方がない。

「それいつも自分で作っている?」

注文を済ませお盆にたくさんのおかずを乗せた三井さんが、戻ってくるなり声をかけてきた。

「はい、いつも自炊してるからついでです」
「えらいね~。なかなかできないよ。白鳥さんいいお嫁さんになれそう」

それは褒め言葉? それともどうせできっこないというイヤミなのだろうかと、無駄に勘ぐってしまう。そんな私の心内も知らず、三井さんがお弁当を覗き込んできて、慌てて手で隠した。

「なんですか」
「いや、どんなのが入ってるのかなーって」
「たいしたものは入ってませんから」

定番の卵焼きにウインナー、あと自家製冷凍食品を合わせただけの質素なものだ。人に見せられるようなものじゃない。だけど三井さんはよほど興味があるのか、いまだに凝視してくる。そんなに見られると食べづらいんですけど……。