「あっ、莉子ちゃん。いつも悪いね迎えに来て貰っちゃって、ありがとう」
スタジオに入ると、
梨架のマネージャーさんの安藤さんがそうふわっと笑って迎えてくれた。
安藤さんはれっきとした男性だけど、そのどこか人を安心させるような微笑みはどこか少し女性的だなぁなんて思う。
「梨架、莉子ちゃん来てくれたよ」
「あ、お姉ちゃん!」
安藤さんがそう声を掛けると、スタジオの奥から少し汗をかいた梨架がぴょこっと顔を出してこちらに走ってきた。
透き通るような陶器のように白い肌。
胸元から緩く巻いた、綺麗な栗色に染められた長い髪。華やかなメイク。
素材は私と一緒でも、
梨架には人の目を自然と引いて魅了するような美しさと魅力がある。

