「…石川部長も、格好いいです」
そう声を絞り出して返した私に、ありがとうと小さく微笑んだ石川部長はやっぱり余裕のある大人の様で、それがなんだかほんの少しだけ悔しかった。
駅から少し歩いて映画館につき、ジュースやポップコーンを売っている列に並ぶ。
それを受けっとった頃には、映画が始まる前の丁度いい時間になっていた。
「もうすぐ始まる。楽しみだな」
「そ、そうですね」
いやーほんと映画久しぶりだわと言う石川部長の呟きを聞きながら、私は段々と別の方の緊張に襲われながら席につく。
でも、怖いシーンは目をつぶれば大丈夫かな。
──と、そう思っていたのに。

