今日一日付き合ってくれと頼んだのは俺だ。
その後で返事を聞かせて欲しいと。
「気にしなくていいよ。食べたらすぐまた家まで送るから」
「一日付き合うって話だったのに、ごめん」
…計画していたより早い解散になってしまう事になったが、それも俺達らしいのかもしれない。
そんな事を思って内心で肩を下ろすと、注文していた料理が運ばれてきた。
メインのチキン南蛮と、ご飯に、三つ葉のお吸い物と刻んだ玉ねぎの入ったポテトサラダ、大根の葉の和え物。
「わ、これ美味しい」
大根の葉の和え物に箸を伸ばした莉子が、そう言って目を丸くする。
莉子は、本当に食べ物を美味しそうに食べる。
一見クールで冷静に見える莉子だが、本当は表情がクルクルとよく変わるタイプなのだ。
だから見ていて飽きない。
出来るなら、このままずっといろんな表情をする莉子を側でずっと見ていたい。
「でもやっぱりチキン南蛮が一番美味しい」
「…うん、良かった」
そう返す声は、
自分でも驚くほどに力なかった。

