「今日はごめん。話がしたいっていったのは私だけど、わざわざ時間つくって貰って」
「全然。俺が会いたかっただけだし」
「…そ、そう」
返事に詰まって、そう相槌を打つ。
湊人が言うから様になっているだけであって、湊人の言葉選びは昔からなんかこう、自分が男だったら絶対言えないような言葉ばかりだ。
「ちなみに、莉子の話ってこの間の返事?」
「……っ」
いきなり本題を突かれて、思わず心臓が跳ねた。
話しだすタイミングが分からないとは思っていたが、まさかこんな唐突だとは思っていなかった。
「うん。えっと、私…」
「待って」
緊張で早まる鼓動を感じながら口を開いて発した言葉は、そんな湊人の言葉にすぐ遮られた。